2013年9月20日金曜日

米GMが韓国拠点を本格縮小へ 労働コスト増大・ウォン上昇・地政学的リスク・・・看過できない水準

 

[ソウル 12日 ロイター] - 関係筋によると、米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N: 株価企業情報レポート)は、労働コストの増大を受けて韓国での事業の縮小を徐々に開始した。韓国はGMにとって最も大きな海外生産基地の1つであり、生産台数全体の5分の1を占めるが、コスト上昇や労働組合との対立により、世界における生産バランスを再考することになった。



GMはすでに一部新型モデルの生産を韓国から移転させる計画を発表しているが、事業の縮小は、内外の自動車メーカーから噴出している急速な賃金上昇ペースへの不満を浮き彫りにしている。GMのある関係者は「韓国におけるリスクを確実に軽減する必要がある。ここ数年の話ではなく長期にわたり、生産拠点を特定の場所に過度に依存しないようにしなければならない」と述べた。「韓国で何か問題があるとすれば、コストか、政治か、労組の問題だ。いずれも即座に影響が出る」という。



2002年に経営破綻した大宇自動車を買収して以来、GMは韓国を主要生産基地の1つとした。年間の生産台数の20%強を占める950万台以上を同国で生産している。そのうち80%は海外への輸出用だ。



上層部が協議中の韓国戦略について知る関係筋によると、最近10年間で賃金が急速に上昇し、これにウォン高が拍車を掛けたことで、韓国はコストの高い生産拠点となってしまったという。



韓国子会社の労組はこの見方に異論を唱えており、事業縮小の話は賃上げを求める労働者を威圧するためのこけおどしに過ぎないとみている。同労組は7月、1000万ウォン(9000ドル)のボーナスを含めた賃金交渉で経営陣と合意した。



ただ、GMはすでに韓国への依存度を下げつつある。昨年後半には、次世代コンパクトカー「シボレー・クルーズ」の新モデルの国内生産を見送ると発表。新興国向けに既存の低コストモデルの生産は続けると示唆したが、新型車の生産拠点をどこにするかについての明言は避けた。



生産開発計画に詳しい関係筋によると、クルーズの開発チームをデトロイト近郊のテクニカルセンターに移転させたという。傘下オペルの次世代小型スポーツ多目的車(SUV)「モッカ」についても同様の計画があり、2014年の下半期から新型モデルの生産の大部分をスペインへ移転する。



<労働コスト>



これまでGMコリアは成功を収めてきた。GMの世界的な販売網と、GMが持っていなかった大宇自動車の小型車技術とが結びついた。大宇の技術は、GMが2009年に破綻してから比較的早期に復活するのに重要な役割を果たし、中国を含め成長著しい新興国へ食い込む道筋をつけることにつながった。



だが、賃金水準は大幅に上昇してきた。



経営者が労組に示した資料によると、1台当たりの労働コストは今年1133ドルに達し、スペインやロシアなど「コストが高いと考えている国々の水準の下の方」に属するという。世界全体の平均は677ドルだ。



経済協力開発機構(OECD)の調査によると、2009年の韓国製造業における1人当たりの労働報酬は119%上昇。同時期の米国での上昇率は40%、ユーロ圏では27%だったという。



関係筋によると、労働コストの増加に、ウォンの上昇や朝鮮半島における地政学的リスクが加わり、GMは韓国のリスクは看過できない水準となり、「バランスの見直し」が必要だと考えるようになったという。



GMコリアの労組は、同国は依然として競争力の高い生産拠点だと考えている。同組合のChoi氏は「コストの点ではオーストラリアやドイツに勝る競争力がある」と述べた。



GMコリアの労組は7月4日から23日にかけて124時間の時限ストを実施。GMは、労組が韓国における「通常の報酬」の再定義を求めて労働裁判を起こし、GMコリアの競争力低下につながる危険性を非常に恐れているとみられる。GMコリアのセルジオ・ロシャ社長兼最高経営責任者(CEO)は今年、ロイターに対し、「通常の報酬」にボーナスが含まれることになった場合、韓国における労働コストは10―12%上昇すると述べた。





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