2013年10月8日火曜日

韓国メディア、仏像で内紛! 「悔しいが返せ」の社説に反する記者コラムも…


長崎県対馬市の観音寺から盗まれた「観世音菩薩坐像」【拡大】
 韓国世論が、長崎県・対馬から盗まれ、国内に持ち込まれた仏像をめぐって分裂している。裁判所は返還を差し止める判断を下したが、朴槿恵(パク・クネ)政権の閣僚は日本に返還する意向を示し、一部韓国メディアも同調しているのだ。国際法上、返還は至極当然の話だが、反日妄執にとらわれた韓国世論は反対論が優勢といえる。返還論者を袋だたきにするなど“内ゲバ”の様相を呈してきた。

 「27日夜、一瞬理解できない東京特派員の記事が編集局に飛び込んできた」

 韓国紙・中央日報(日本語電子版)は先月30日、こんな書き出しで始まる記者コラムを掲載した。

 「理解できない記事」とは、韓国の劉震龍(ユ・ジンリョン)文化体育観光相に関するニュース。劉氏は、韓国・光州で行った下村博文文科相との会談で、問題の仏像について「当然返還すべきものだ」と発言したのだ。

 記者コラムでは「報道内容のとおりに発言したとすれば、彼は長官(=大臣)としては落第点だ」と一刀両断。劉氏の発言を「“極右政治家”の下村氏と刺激的なイシューを探している日本メディアの合同作品」とする、文化体育観光省の“珍説”まで紹介した。

 ところが、これは中央日報の統一見解ではなさそうだ。何と、同月29日の同紙社説では「悔しいが、仏像は不法搬出と見なされ、日本に返すのが正しい」として、正反対の主張を展開していた。記者コラムは社説に真っ向から異を唱える“下克上コラム”といえる。

 1965年に締結した日韓請求権協定では「財産、権利などの請求権は完全かつ最終的に解決された」と明記している。盗まれた仏像を返還しないことはユネスコ文化財不法輸出等禁止条約の明白な違反にもなる。

 朝鮮日報も先月30日付の社説で「ひとまず返したうえで、改めて韓国への返還運動を展開するのが正しいやり方」と呼びかけており、韓国世論も返還に傾くかと思いきや、そうではない。

 筑波大学大学院の古田博司教授は「韓国には『法治国家になるべきだ』という人と、『法治国家じゃなくてもいい』と思う人の2種類いる。だが、歴史を重んじる尚古(しょうこ)主義に傾くあまり、国際法などなかった昔までさかのぼってしまう」と解説する。

 確かに、韓国のネット上では「そういうことは日本による植民地時代に日本が奪っていった文化財を取り戻してから言え」「劉文化相よ、あなたはいったいどの国の人間か」などと、国際法無視の返還反対論が支配的となっている。

 こうした世論を受けて、最大野党である民主党だけでなく、政権与党のセヌリ党からも劉氏の発言を問題視する発言が噴出している。日本政府内でも「(劉氏の)発言を聞いた瞬間、『辞任せざるを得なくなるのではないか…』と思った」と心配する声すら上がった。

 結局、劉氏は「国際規約は、盗難や略奪による文化財は返還すべきと言うのが原則」としながらも、「韓国では関連の司法判断を待っている状況だ。まずは司法の判断を尊重すべきだ」などと釈明に追われた。
ちなみに、肝心の韓国司法は、韓国中部の大田(テジョン)地裁が今年2月、盗まれた仏像2体のうち1体について、日本への返還を当分差し止める仮処分決定を出しただけでなく、条約や協定で解決済みの対日個人請求権を認めるトンデモ判決が続出している。

 本紙で『新・悪韓論』を連載するジャーナリストの室谷克実氏は「国際規約にのっとった判断が韓国で行われる可能性は低い。仮に返還が決まっても要警戒だ」といい、こう指摘する。

 「日本から見たら返還は当たり前だが、韓国は『特別なことを日本にしてやった』という態度に出るに違いない。返還する代わりに、日本にある朝鮮半島由来の文化財を返せと言ってくるだろう」

 文化財返還をめぐっては、民主党政権が行った李氏朝鮮時代の儀典書「朝鮮王朝儀軌」の引き渡しが、かえって対日文化財返還要求の過激化を招いたことは記憶に新しい。

 日本としては、負の反日連鎖を断ち切るためにも、決然たる態度で仏像返還を求め、「見返り」の文化財返還も拒絶する覚悟が必要だ。

 ■対馬・仏像返還問題 長崎県対馬市の観音寺などで昨年10月上旬に本堂から仏像が盗まれ、韓国・大田地方警察庁が今年1月29日、窃盗グループ首謀者の男を立件し、仏像の回収を発表した。日本政府は返還を求めたのに対し、韓国・瑞山市の浮石寺や仏教界が「(仏像は)倭寇に略奪された」などと訴え、大田地裁は当面返還を差し止める仮処分を出した。
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